HbA1c(ヘモグロビンA1c)は過去1〜2か月の血糖の平均を映す検査です。基準範囲と糖尿病型の判定、日本糖尿病学会が示す6.0%・7.0%・8.0%の目標の違い、平均血糖値との関係、検査の頻度、数値がずれやすい場合までわかりやすく解説します。
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、過去1〜2か月ほどの血糖の平均的な状態を表す検査値です。健診の判定では5.6%未満が基準範囲とされ(検査機関の結果票には別の基準範囲が書かれていることもあります)、6.5%以上は「糖尿病型」と判定されます。すでに糖尿病と診断されている人では、合併症を防ぐための目標として7.0%未満がよく使われますが、年齢や体の状態にあわせて主治医と決めるのが基本です。
HbA1cは何を測っているのか
血液中のブドウ糖は、赤血球の中のヘモグロビンと少しずつ結びつきます。血糖が高い状態が長く続くほど、ブドウ糖が結合したヘモグロビンの割合が増えます。赤血球の寿命はおよそ120日なので、HbA1cは採血の日だけでなく、それまでの数週間の血糖を反映します。特に直近1か月の影響を強く受けます。
そのため空腹で受ける必要はなく、前日の食事で大きく変わることもありませんが、1日の中の血糖の上がり下がりは見えません。同じ7%でも、血糖が安定している人もいれば、高血糖と低血糖をくり返している人もいます。
HbA1cの基準値と判定の目安
- 5.6%未満:基準範囲
- 5.6〜5.9%:特定健診では保健指導の対象となる目安
- 6.0〜6.4%:糖尿病の可能性が否定できない範囲。再検査や経口ブドウ糖負荷試験がすすめられることがあります
- 6.5%以上:糖尿病型。血糖値も糖尿病型であれば(同じ日でも再検査でも)糖尿病と診断されます。HbA1cだけをくり返し測っても診断にはなりません
日本では、HbA1cだけで糖尿病と診断することはなく、空腹時血糖126 mg/dL(7.0 mmol/L)以上などの血糖値の結果と組み合わせて判断します。なお、米国糖尿病学会(ADA)は5.7〜6.4%を前糖尿病としており、国によって区切り方が少し異なります。
日本糖尿病学会の血糖コントロール目標
糖尿病の治療目標は、全員同じではありません。日本糖尿病学会は、目的別に3つの目標を示しています。
- 6.0%未満:血糖正常化を目指す場合の目標。低血糖などの副作用なく達成できるときに
- 7.0%未満:合併症予防のための目標。多くの人にとって基本となる値
- 8.0%未満:低血糖などの理由で治療の強化が難しい場合の目標
- 高齢者では、認知機能や日常生活の状況、使っている薬によって別の目標が設けられています
HbA1cと平均血糖値の関係
ADAは、HbA1cから推定平均血糖値を求める式として「推定平均血糖値(mg/dL)=28.7×HbA1c−46.7」を示しています。目安は次のとおりです。
- 6%:約126 mg/dL(7.0 mmol/L)
- 7%:約154 mg/dL(8.6 mmol/L)
- 8%:約183 mg/dL(10.2 mmol/L)
- 9%:約212 mg/dL(11.8 mmol/L)
自宅で測る血糖値はよいのにHbA1cが高い場合、朝の空腹時ばかり測っていて食後の上昇を見逃していることがよくあります。ときどき食後2時間の値も測ってみましょう。当サイトのツールにあるHbA1c計算ツールでも換算できます。
数値がずれることがある場合と検査の頻度
- 鉄欠乏性貧血や最近の出血、貧血の治療中
- 腎不全や透析を受けている場合
- 妊娠中や、最近輸血を受けた場合
- 異常ヘモグロビン症など、ヘモグロビン自体に特徴がある場合
このような場合、医師はグリコアルブミンなど別の検査や、自己測定・持続血糖測定の結果を参考にします。検査の頻度は、治療中ならおおむね1〜3か月ごとが一般的です。安定していれば間隔をあけることもあるので、主治医の指示に従ってください。
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Glucolyを無料でダウンロード医療に関するご注意:この記事は情報提供と学習を目的としたもので、医学的な助言に代わるものではありません。HbA1cの解釈や目標は人によって異なります。治療を変更する前に、必ず主治医にご相談ください。
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